東京大学の入学式・厳しくも温かい祝辞から学ぶ。

2019-04-17
今日はいつになくマジメなお話です。
塾長は時々マジメな話をします(笑)


4月12日に東京大学の入学式が行われました。
新入生約3100人を前に祝辞を述べたのは、
ジェンダー研究(女性学)の第一人者として知られる、
東京大学名誉教授の上野千鶴子さんです。
非常に厳しくも温かい内容だったので一部ご紹介します。

【以下、祝辞より抜粋(一部)】

ご入学おめでとうございます。
あなたたちは激烈な競争を勝ち抜いてこの場に来ることができました。
その選抜試験が公正なものであることをあなたたちは疑っておられないと思います。
もし不公正であれば、怒りが湧くでしょう。

(中略)

あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。
ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、
がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、
あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください。
あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、
これまであなたたちの周囲の環境が、
あなたたちを励まし、背を押し、手を持ってひきあげ、
やりとげたことを評価してほめてくれたからこそです。
世の中には、がんばっても報われないひと、がんばろうにもがんばれないひと、
がんばりすぎて心と体をこわしたひと...たちがいます。
がんばる前から、
「しょせんおまえなんか」「どうせわたしなんて」と
がんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。

あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。
恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。

(中略)

あなた方を待ち受けているのは、
これまでのセオリーが当てはまらない、予測不可能な未知の世界です。
これまであなた方は正解のある知を求めてきました。
これからあなた方を待っているのは、正解のない問いに満ちた世界です。

(中略)

大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身につけることではなく、
これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、
わたしは確信しています。
知を生み出す知を、メタ知識といいます。
そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。
ようこそ、東京大学へ。

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上野さんはジェンダー研究の第一人者であるため、
東京医科大学が女子受験者を差別していた不正入試に触れながら、
世の中の厳しさや学ぶ意義を温かく祝辞で表現されていると感じました。
私たちの仕事は、「成績を上げること」「志望校に合格させること」ですが、
その先にある「世の中」について話していくことも大切だと感じました。

子どもたちが大人になった時の「世の中」は、
きっと私たちが想像できないレベルの「世の中」になっていると思います。
そんな「世の中」を生き抜く力は、学ぶことの中から生まれてくると思います。

新学期が始まり、新しい環境での学校生活が始まっています。
やる気に満ちていた状況から、少しずつ気持ちに変化が出てきます。
どうか逃げずに努力を続けてください!
その先に見えるものが必ずあります。

将来、子どもたちが輝ける世の中になりますように!
そして、「子どもたち一人ひとりの可能性を伸ばしたい!」と、
決意を新たにした私でした。





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